【発売:2002年11月】
『秘密』『白夜行』などで重厚な人間ドラマに新境地をひらいた著者が、ホームグラウンドともいうべきシンプルなミステリーの舞台に立ち返り、「ゲーム感覚の誘拐事件」を描く。使い捨て携帯電話やインターネットの掲示板が事件の重要なカギを握るなど、時代の風俗をたくみに取り入れ、展開もアクロバティックでエンターテイメント性は十分だ。 やり手の広告代理店プランナーが、仕事上で屈辱を味わわされた大手自動車メーカー副社長への復讐を思いつく。 こうした事件ものでは、複数の視点から立体的に描写をしていく手法が一般的だが、本作では一貫して主人公の視点からの著述となっている構成もユニークだ。 |
小説家。
1958年大阪府生まれ。
大阪府立大学電気工学科卒。
エンジニアとして勤務しながら小説を書かれていたそうです。
1985年、『放課後』で第31回江戸川乱歩賞受賞し、エンジニアを退職して作家デビュー。
1999年、『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。
2006年、「容疑者Xの献身」で第6回本格ミステリ大賞(小説部門)、第134回直木賞を受賞。
著書には『同級生』『変身』『分身』『鳥人計画』『むかし僕が死んだ家』『パラレルワールド・ラブストーリー』『天空の蜂』『毒笑小説』『名探偵の掟』『悪意』『探偵ガリレオ』『白夜行』『予知夢』『片想い』等があり、幅広い作風で活躍されています。
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